広島インドネシア協会  

活動実績

講演会・交流会 「インドネシアにおけるODA視察と、居住経験からみるインドネシアの生活・文化・社会」

2016年3月2日

劇団en塾広島公演実行委員長を務め、1年間現地での共住経験もある広島経済大学 助教貫名 貴洋様を講師に迎え、ホテルグランヴィア広島において、「講演会・交流会 『インドネシアにおけるODA視察と、居住経験からみるインドネシアの生活・文化・社会」と題して、ご講演をいただきました。

〈ご講演要旨〉

先般、JICA主催の「国際協力レポーター2015」の団長として、インドネシアへ視察に行ってまいりました。これは実際にODAや国際協力の現状を視察し、その内容を広く国民に伝えていくことを目的としたものです。

 

青年海外協力隊が活動する教育現場では、日本の授業方法の紹介などを行っており、私たちは友人のつてを頼りに約50㎏分の絵本を集め持参いたしました。現地で大学生が訳し、小学生がとても喜んで活用しています。また、マカッサル州ではゴミ銀行というシステムを導入し、町内会に通帳を配布、ゴミをたくさん出したらお金がもらえるというシステムにより、環境問題の改善と町内会収入増の一役を担っていました。市民警察活動全国展開プロジェクトでは、市民が親しみやすいようにと、日本の交番制度が導入されました。日本の警察庁の技術指導により鑑識の技術も伝えられています。

 

ODAの現場では、貧困削減地方インフラ開発事業において、村落の方の要望により給水施設や農業用かんがい用水を導入。ジャカルタ都市高速鉄道事業では、交通渋滞緩和を目的に、市内中心部を貫通する道路沿いに高速鉄道を建設中でした。また、急速な都市化による地下水の汲み上げで地盤沈下が進んでいるため、洪水対策で排水機場の改修が行われていました。

 

日本からの国際支援については、技術力の面では比較的高いものの、それ以外の支出純額などは先進国の中では低水準となっているのが現状です。国際協力や開発支援は今や各国の競争社会に入ってきていると考えられます。日本とインドネシアは戦略的パートナーシップ2国間で結ぶ最重要の国と言われています。私たち日本人は、もっと相手のことを知り、お互いの理解を深めていくことが大切なのではないでしょうか。

 

インドネシアの方は日本を理解しようと、こよなく務めてくださっています。そのことがとてもよく顕れているある曲を、最後にご紹介いたします。それは、劇団en塾の「桜よ」という曲。東日本大震災の応援歌としてインドネシアで作られた曲で、500人のインドネシア大学生が歌っています。2013年に安倍総理がインドネシアを訪れた際にも披露された歌です。この歌をぜひ多くの方に知っていただき、彼らの日本への想いを感じていただきたいと思います。

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